鈴鹿2&4レースとオリンパスとニコン

4月14・15の両日、鈴鹿サーキットで開催された「鈴鹿2&4レース」に行ってきた。本格的なレース観戦は、自分の記憶が確かなら、1996年の「鈴鹿1000km耐久」以来だ。今回のイベントは二輪と四輪のレースが同日開催されるということで「2&4」というネーミングなのだが、二輪は「2012 MFJ全日本ロードレース選手権シリーズ第2戦」、四輪は「2012 フォーミュラ・ニッポン第1戦」とその下位カテゴリーの「フォーミュラ3選手権」が行われた。
鈴鹿に行った最大の目的はレースの写真を撮ることで、主に8月のGTカーレースをターゲットにした機材のテストと撮影ポイントの下見。持って行ったカメラ機材は、14日の予選はオリンパスOM-D E-M5、15日の決勝はニコンD300。
昔はフィルムの残り本数を数えながら控えめにシャッターを押していたけど、今は大容量のメモリーカードを使えば大量に撮影可能なので、両日で合計で5000ショット以上も撮っちゃったよ(笑)

14日のFニッポン練習走行。あいにくの雨で路面はウェット。

午後になって天気は晴れ。
これはF3選手権の第1戦決勝。F3は14日に第1戦、15日に第2戦のダブルヘッダー。

午前中に行われる予定だった二輪の予選がトラブルで午後に延期。
おかげでドライ路面で走ることができた。

翌15日日曜日。
F3選手権第2戦決勝の様子。

続いて二輪の決勝。

最後にFニッポン・ラウンド1決勝。

レースを制したのはこの車。
ドライバーは元F1ドライバー中嶋悟の息子、中嶋一貴選手。
ちなみにお父さんの悟氏は一貴選手とは別チームの監督としてFニッポンに参戦している。
(もちろん今回の鈴鹿にもいました)


さて、
オリンパスとニコン、どちらがレース写真を撮るのに適しているのか?ということなのだが、結論から言うと、私はD300に軍配を上げる。
E-M5は、追尾機能付き高速AF、強力な手ブレ補正、秒9コマの高速連写、といかにも走行中のレースカーを撮るのに適した機能を搭載しているが、実はこれには制限があって、高速連写中は露出とピントが1コマ目で固定され、さらには手ブレ補正もオフになってしまう。これはカメラを三脚に固定し置きピンで被写体を待ち構えるような撮り方なら強力な武器となるけど、ターゲットを追いかけながら流し撮りするのには不都合だ。手ブレ補正については本体のISを切ってパナレンズの補正機能をオンにすればなんとかなるけど、AFが効かないのはいかんともしがたい。シャッターのオンオフを小刻みにしてピントを合わせながらの高速連写も試してみたけど、難しいぜ、これ(笑)
秒4.2コマの低速モードにすれば連写中もAFを効かせることができるのだけど、手ブレ補正がONだと秒3.5コマに連写速度が落ちてしまう。しかも、低速連写中はファインダーのブラックアウト時間が長くて被写体を追うのが非常にやりづらい。わずかなラグだが、高速で移動するクルマを追うのには致命的。なぜなら、ブラックアウトが0.1秒であっても、1/1000秒を争うレーシングカーは猛スピードで動いて、あっという間もなくファインダーからいなくなってしまうからだ。
つまるところ、連写に関する機能をフルに発揮しようとするといろいろと条件や制限があってやりにくいのだ。
しかし、よく考えてみれば連写するのは「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」的な発想があるからで、シャッターチャンスを上手いこと一発で捉えることができれば、連写性能もファインダーのラグもさほど重要な問題はない。でも、それは何年も経験を積んだカメラマンならできることで、ポッと出の素人カメラマンができるわけがない。
一方、Nikon D300はどんな設定にしようと連写速度は秒6コマで安定しているし、ミラーアップによるファインダー像の消失はあるもののラグはまばたきするよりも短く、AFも被写体をファインダーで捉えている限り効いている。手ブレ補正はすべてレンズ側で制御しているからカメラ本体に影響を与えることはない。
やっぱ厳しい条件下での撮影は、たくさんのプロカメラマンの要求に応えてきた大手メーカーのカメラが安心だな。
あと、バッテリーに関して、E-M5は本体とバッテリーグリップの2本のバッテリーを持っていったのだが、1日使用して、1本は完全に空になり、もう1本は半分ほど電気を消費していた。ショット数は2000枚強である。思っていたよりバッテリー消費が多い。E-M5をメインにするなら安全策をとって3本目があったほうがよさそうだ。D300もバッテリーを2本準備してあったが、1本目を半分ほど消費して終了。この点でも差がついてしまった。
ここまで読むとE-M5がダメなカメラのように思えてくるかもしれないが、勘違いしないで欲しい。レース撮影という特殊な条件下では足りない部分あるというだけで、非常に優秀なカメラであることは断言できる。特に高感度性能はD300を凌駕しているし、画質も画素数が多いこともあって解像感が高い。やっぱ、まだ過渡的な部分のあるミラーレスカメラは厳しい条件で使うより、花や風景、気軽なスナップ撮影等に向いているようだ。

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