痔瘻根本治療体験記 その7

入院五日目~九日目

その後は、だいたい同じようなことの繰り返しとなる。朝昼晩と食堂で食事をし、一日一回医師の診察を受け、風呂に入って寝る、それ以外はひたすら退屈との戦いである。

自分の場合、酷い痛みがなかったのでなおさら退屈だった。おかげでKindleで買っておいた『鬼滅の刃』と『進撃の巨人』を既刊分全部読破しちゃったよ。紙の本だとけっこうな重さと嵩を食うけど電子本だと何十冊あろうととタブレット1台だけなのは便利だね。

入院十日目退院の日

十日というと短いようで入院患者にとっては結構長い。手術は確かに大変だったが、術後の経過が安定してきてからは、やることもなく、一日がとても長く感じた。それも今日で終わりだ。

朝9時前に最後の診察を終えると、普通の服に着替え、荷物をまとめる。ナースコールをして看護師さんに病室のチェックをしてもらう。

入院中思ったのだが、看護師という仕事は本当に大変な仕事だ。例えば手術後のケアとか患者にとっては一度だけのことだが、看護師さんたちは毎日あれをしているわけだ。自分はあれほど他人に対して献身的になれるだろうかと考えると、本当に頭の下がる思いだ。

その看護師さんたちにお礼を言うと、久しぶりに自由の身となり、病院を出た。ちなみに会計は前日に済ませてある。

10日も病院の駐車場に停まっていた愛車に乗り込むとエンジンをかけ、家へと走らせた。お尻の傷はまだ完全に塞がってはおらず、運転できるか心配だったけど特に問題はない。まあ、シートにダイレクトに座ると尻に振動が伝わって来るので円座クッションを敷いていたけどね。

その後については、しばらくは自宅療養しつつ、定期的に通院し、頃合いを見て仕事に復帰した。完治宣言をもらったのは手術後3か月半たったころだった。

おわりに

ということで、私の痔瘻根本治療体験記はここで終わる。

痔というと面白おかしく囃し立てる人がいるが、人間が生きていくうえで食えば必ず排泄するわけで、出口である肛門に悩みを抱えると生活の質が格段に悪くなってしまう。気軽に人に相談できないから余計にストレスとなるだろう。排便時に痛みがあればトイレが恐怖の部屋となるだろうし、飛び出たイボ痔を指で押し込むのは憂鬱な作業だ。自分の場合、痛みもさるところながら、瘻管から出てくる膿の処理が本当に嫌だった。手術に対して恐怖心もあったけど、一生ストレスを抱えて生きるくらいなら、手術で死んでもいいくらいの気持ちになったのも事実である。

もしこの記事を読んでいる人でお尻に悩みがある人がいたら、自分が痔であることを大っぴらに宣言する必要はないが、少なくともお医者さんに相談するぐらいのことはするべきだと思う。肛門科の医師である必要はない。いちおう大学で一通りの科目を勉強をしているそうなので相談に乗ってくれるはずである。痔は即命に関わるような疾患ではないけど、日常生活に大きな影を落とす。悩まず、恥ずかしがらず、行動していただきたい。

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