ニュートリノ浪漫

光の速度はおよそ30万km/hで不変である。誰がどんな状態にあっても一定である。動いていようと止まっていようと時速30万kmと観測されるのである。これは実験で確かめられた事実で動かしがたい宇宙の定理なのである。じゃあ、なんで光の速度は変わらないの?時速100kmで動いている物体から発せられた光は時速30万100kmじゃねーの?という疑問に答えたのがアインシュタインが発表した相対性理論である。光速が変わらないのなら他の要素が変わるんじゃね?例えば時間とか空間とか?みたいな(笑) その相対性理論によると質量のある物体は光速を越えることができない。つまりこの宇宙の最高速度は30万km/hなのである。
ところが、名古屋大学の准教授も参加した欧州での実験で、素粒子の一種であるニュートリノが光よりわずかに速いという結果が出てしまった。これが誤差ではなく確かな結果なのであれば相対性理論は成り立たなくなってしまう。いや、相対性理論に当てはめてみるとニュートリノが「虚数の質量」を持つことになってしまうのだ。虚数とは「二乗してマイナス1(√-1)」になる自然界には存在しない数値。存在しない虚ろな数字ということで「虚数」呼ばれている。要するに存在しないはずのものが存在しているということになってしまうわけだ。
この結果を踏まえて、ネット上にタイムマシンができるんじゃね?みたいな記事がチラホラ見受けられるが、これはどういうことかというと、またまた相対性理論によると物体が光速に近付くほど時間の進み方が遅くなり、光速に達すると時間が止まってしまう。そして光速を超えると時間が逆に流れるのでは?という推論から出た空想なのである。だが、SF映画や小説のような、人間が何かの装置に乗って生きたまま時間遡行ができると考えるのは拙速だ。質量のある物体を光速にするには無限大のエネルギーが必要で、無限大のエネルギーなど存在しないから光速には達し得ないとされているわけで、光速を超えるには無限大を超える「超無限大エネルギー」がなければならない。だから現実問題としてタイムマシンの実現は不可能なんじゃないかと思う。もっとも人間そのものをニュートリノ化するような技術があれば可能かもしれないが・・・。
しかし、ニュートリノが超光速で運動できるとしたら、タイムマシンはできないにしても過去の情報を得ることができるではないのだろうか。つまり過去を覗き見るタイムスコープみたいなものは可能なんじゃないかと思うのだ。
例えば、なんらかの情報を載せて定期的に宇宙に光を発しているとしよう。光より遅い物体は先に発した光には追いつくことができず、後から来た光に追いつかれてしまう。つまり未来の情報しか受取れない。逆に、光より速い物体は先に発した光に追いついてその情報、つまり過去の情報を得ることができる(代わりに未来の情報は受取れないが)。と、ここまで考えて、得た情報を送り返す仕組みがなければ人間が過去を知ることができないことに気付いた(笑)。
いづれにしてもニュートリノが本当に光速を超えることができるのか興味は尽きない。だって、タイムマシンができるかも、ワープ航法ができるかも、って浪漫があるだろ、浪漫が(笑)
参考リンク
光速超えるニュートリノ 「タイムマシン可能に」 専門家ら驚き「検証を」
http://sankei.jp.msn.com/science/news/110924/scn11092400300000-n1.htm
ニュートリノ 再実験でも光速上回る
http://sankei.jp.msn.com/science/news/111119/scn11111907330002-n1.htm


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