痔瘻根本治療体験記 その2

肛門科受診

その病院は肛門専門の病院というわけではなく外科や内科を併設している個人クリニックだった。待合室はお年寄りや子供を連れた母親といった人達が多めで普通の個人病院といった雰囲気。そんな中、受付で恥を忍んでお尻を診てもらいたいことを言い、問診表を書いて持つこと1時間弱、診察室に呼ばれた。

診察室にはパソコンの置いてあるテーブルと簡易の手術台のようなベッドがあった。先生に肛門にしこりのようなものがあって痛いこと、市販の薬を使ってもよくならないことを伝え、いよいよズボンを下げてベッドに横向きに寝て肛門を診てもらうことに。

「ああ、これは痛そうだ」先生が間髪入れず言った言葉がこれだった。指や器具を肛門に突っ込んで一通り診た後に「膿が溜まって破裂しそうだから、穴を空けて膿を出すね」…え? 先生が「ちょっと痛いよ」と言った後にチクッと肛門に針で刺されたような痛みが走り、思わず「あう!」と呻いてしまった(笑)。確かに痛かったが激痛というわけではなかった。

処置が終わり、衣服を元に戻して説明を聞く。診断は「肛門周囲膿瘍」だった。自己診断のイボ痔ではなかった。細菌の感染で生じた膿が出口がなくて肛門の周りに溜まって炎症を起こしている状態だった。これを放っておくと膿の通り道が皮膚まで貫通して痔瘻になってしまうという(私はここで初めて「痔瘻」という言葉を聞いた)。今はまだ痔瘻の一歩手前なので抗生物質で細菌を死滅させ、歯状線の細菌の侵入口が閉じれば治る可能性がある。痔瘻になってしまったら手術しか治療方法はない。そう説明され、この日は抗生物質入りの軟膏と錠剤を処方してもらって帰宅した。

膿を出してもらったおかげか痛みはほぼ消えて、とりあえずは快適に過ごせるようになった。でもしこりは残っているので胡坐をかくなど圧迫するとやはり痛い。手術は嫌だなあ、このまま治ればいいなあ、と淡い期待を抱いて軟膏を塗り、肛門科に一週間おきに通った。三週目、膿瘍は初めて受診した時よりも大分小さくなっていたが、膿の出口が形成されているのが確認され、ここで晴れて(?)痔瘻と診断された。

つづく

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