痔瘻根本治療体験記 その1

「痔」とは肛門とその周辺に関わる疾患の総称で、日本人の3人に一人は痔で悩んでいるという。

痔には主に三種類の病状があり、それぞれ「痔核」「裂肛」「痔瘻(じろう)」と呼ばれている。

「痔核」とはいわゆる「イボ痔」で、イボ状のできものが肛門の内部または外側に出来て排便時に脱出したり、痛みを伴うこともある。

「裂肛」は「切れ痔」のことで、便秘などが原因で肛門の粘膜が破れ、出血や痛みを伴う。便秘になりやすい女性に多いらしい。

「痔瘻」は「あな痔」と呼ばれることがあるらしい。直腸と肛門の境目にある歯状線という部位のくぼみに大腸菌などの細菌が入り込み、感染した部位が炎症と化膿を引き起こし、溜まった膿を排出するためにトンネルを形成してしまう病症。長期間放置していると極稀に癌化することもある。下痢しやすい男性に多い。

詳しくは以下のサイト等を参照してほしい
http://www.e-zi.net/
https://www.borraginol.com/knowledge/

さて、なぜいきなりこんな解説をしだしたかというと、実は私もはばかりながら痔になってしまったからだ。しかも上記三種の中で一番厄介な痔瘻になってしまったのだ。

痔は肛門という恥ずかしい部位の病気なので、なかなか人には言えない……どころか病院にも行きたくない……さらにドラッグストアでボラギノールとかの市販薬を買うのも恥ずかしい、という人もいるのではないだろうか。まあ、自分もそんな感じだったのだが、いよいよ切羽詰まって肛門科の病院に行き、実際治療を受けてみるともっと早く受診していれば良かったと思った。なので痔で悩んでいる人のために、痔(特に痔瘻)の治療とはどんなことをするのか、自分の経験をブログに残しておこうと思う。

はじまり

2020年夏、私はお尻に違和感を覚えていた。肛門に力を入れると鈍い痛みがある。痛む部分を触ってみるとニキビ状のコリコリとしたしこりのようなものがある。「イボ痔か?」と素人考えで判断して、家にあった痔の軟膏を塗って様子を見ることにした。この時は普通に過ごす分には痛みは感じないし、排便時も痛まない、痛いのは肛門にキュッと力を入れた時だけなので、それほど深刻には考えていなかった。

しかし痛みは一向に無くならず、それどころかだんだんひどくなってきた。ジッとしていてもジンジン痛むようになり、床に胡坐をかいて座ると患部が圧迫されてとても痛い。この時思ったのは、いつ買ったよくわからない軟膏じゃなくて、ちゃんとした薬を買って使ってみようということだった。「ちゃんとした薬」とは何だ?と今になって思うが、とりあえずドラッグストアに行き、肛門に注入するタイプの薬を買って使用してみた。もちろん効くわけがなかった。そのうち痛みで眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚めるようになってきた。これはアカン。いよいよ病院で診てもらうべきか? でも人に尻の穴を見せるなんて恥ずかしいしなあ。

実は私は血圧が高めで月に一回近所の循環器内科に通っていた。そこの先生に痔の痛みで悩んでいることを打ち明けた。すると肛門を診ることもなく「そういうことなら痔の軟膏を出しますよ」とのこと。なんだ診てくれないんだ、とちょっとガッカリした。まあ、診療科目に肛門科を掲げていないし、しょうがないよね。しかし、他の患者さんで同じように痔で悩んでいる人がいて、その人が痔を診てもらったという病院を教えてもらった。痔に関しては外科領域なので内科専門のクリニックでは手に余るらしい。ともかく教えてもらった病院に行ってみることにした。家から割と近いし。

つづく

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