前回、激重のネットの中でIPv6に対応しているサイトの通信速度が速いことを書いた。

残念なことにIPv6対応サイトはまだまだ少なく、IPv4網の混雑は当分解消されることはないだろう。ユーザはこのままピーク時間帯の糞遅い通信速度を我慢し続けなければならないのだろうか？

ネットの速度向上についていろいろ検索すると「『v6プラス』にしたらネットが速くなった」というテキストが見受けられた。『v6プラス』について調べてみると、日本ネットワークイネイブラー（JPNE）という会社が提供している「IPv6のパケットにIPv4のパケットを包んでIPv6網を経由してIPv4のサイトと通信する仕組み」のようだ。混雑する経路を迂回するため通信速度が劇的に速くなるとのこと（くわしいことはJPNEのHPで見てください）。JPNEと提携しているプロバイダーでこのサービスが使える。

幸いなことに自分が使っているプロバイダー「@Nifty」でも使えるようなので、申し込んでみることにした。

「v6プラス」を利用できる条件は以下の通り

１．フレッツ光ネクストのIPv6サービスに加入していること
２．ひかり電話のホームゲートウェイかv6プラス対応ルータが設置してあること

１については既に加入してあったので問題なし。２についてはホームゲートウェイは無いし、これまで使っていたNECのルータは「v6プラス」に対応していないため、ルータを新たに買わなければならなかった。現在「v6プラス」対応ルータを出しているのはバッファローのみ。

買ったのはこちら

WXR-1900DHP2

@NiftyのIPv6サービスは「IPv6接続オプション」と「v6プラス」の二種類ある。前者はIPv6対応サイトにはIPv6網からアクセスし、未対応サイトには従来式のIPv4のPPPoEでアクセスする、今まで利用していたサービスだ。「v6プラス」に申し込むとき注意しなければならないのは、「IPv6接続オプション」を既に利用中だと一旦利用を解除する必要があることだ。このことは@Niftyのサイトには一切書かれていない。解除しないで申し込むと「既に利用中です」みたいなメッセージが表示される。このメッセージに大いに戸惑った私は@Niftyに電話して、「初めて『v6プラス』に申し込むのに「利用中」とはどういうことだ？」とやんわり言ったら、「『IPv6接続オプション』を解除した後に再度申し込んでください」と言われたよ(笑)

そんなわけで解除申請した翌日に解除完了メールが届き、即「v6プラス」に申込み、そのまた翌日に開通メールが届いた。

しかしそのメールの内容は「IPv6接続オプションご利用開始通知」であった。

はあ？「v6プラス」に申し込んだのになんで違うサービスの開通通知が来るねん！しかも直前に解除したサービスだぞ(笑)

実はこれはまたもやプロバイダーの説明不足だ。「v6プラス」に申し込むと、同時に「IPv6接続オプション」にも申し込まれる（だから解除が必要だった）。さらに「v6プラス」を利用するにはユーザー宅にあるホームゲートウェイのソフトが書き換えが必要で、それが完了したら「v6プラス」の開通通知が届く。でも自前でルータを用意する場合はソフトの書き換えができないため（ホームゲートウェイがないから当たり前）、とりあえず「IPv6接続オプション」が開通するのだ。しかし回線は「v6プラス」を利用できるように設定してあるので、ルータを「v6プラス」モードにしてネットに接続すれば「v6プラス」が利用可能になる。

ホント、手続きについてはちゃんと誤解のないようにしっかり説明してほしいよ。

まあいろいろあったがなんとか我が家に「v6プラス」が開通した。

どれくらい速度が出るのか計測してみた結果、昼夜問わず下り40Mbps前後出ている。VDSLモデムを使うマンションタイプの光回線は最大100Mbpsなのでまあまあといったところ。「v6プラス」導入前は1Mbps以下なんてこともあったのでそれに比べれば40倍速い。HD画質の動画を視るには10Mbpsもあればいいから、これで充分である。

あ、それから、「v6プラス」にすると一部のネットゲームは利用できなくなるのだが、自分が遊んでいるゲーム「War Thunder」「World of Tanks」「World of Warships」は問題なく動作したので付記しておく。「艦隊これくしょん」などのブラウザゲームも問題ない。ただ、PS4のNATタイプが「不明」と表示されるので、PS4のネット対戦ゲームは利用できないかもしれない。PS4でネットゲームなんてやってないから確認できないけどね。