Sound Shakit Report

written by Ryo
(2003/01/21)

純正オーディオの音質を向上させるという謎の機械「サウンドシャキット」
「違いのわからない男」がその真実に迫る

■それは一通のメールから始まった

正月気分の抜け切らない2003年1月某日のことだった。私のメールボックスに「商品モニターのお願い」という表題のメールが届いた。送信者はサウンドサイエンスなる会社の営業担当F氏からであった。メールを開いてみると、自社のカーオーディオ製品「サウンドシャキット」のモニターをしてほしいとの依頼だった。「違いのわからない男」に、よりにもよって、まったくこだわりのないカーオーディオのモニターを依頼するとはチャレンジャーなやっちゃ・・・と半分呆れながらメールに目を通した。

通常、私は企業やショップからの宣伝やリンク依頼は無視することにしている。日頃お世話になっているショップやディーラーからの依頼なら考えなくもないが、人が趣味でやっていて、しかも無料で公開しているサイトで商売気を出されるのはいい気分がしない。プジョーのHPだから、ラテン車のHPだから、ハイそうですかと受けると思ったら大間違いである。・・・あ、言っておきますが、個人からのリンク依頼は基本的には断りませんので誤解のないように。

さて、サウンドシャキットとはいったい何なのだろう。件のメールによれば、「純正オーディオに簡単に接続でき、その音質を飛躍的に改善する」装置のようだ。

・・・

怪しい・・・めっちゃ怪しい。だいたい名前からして怪しい。よく切れるナイフに「ヨクキレール」と名付けるようなネーミングセンスだ。もっといい名前は思いつかなかったのだろうか?

私はいつものように無視して放置しようと思った。だが、F氏のメールにはそれを思いとどまらせる一文があった。

「ご使用中のKENWOOD製には、配線キットなども使わずに接続していただけます」

なるほど、オーディオをKENWOODに換えていることを知っているということは、少なくとも日記履歴書を見てくれたということだ。これは私にとって、ちょっぴり感動的なことだった。なぜなら、見ず知らずの人からくるメールには、コンテンツの中身を見たのかよ、と突っ込みたくなるものが少なからずあるからだ。普通ならスルーしてしまうなんでもない一文に、珍しく寛容な気分になった私はモニターの依頼を受けてみようという気持ちになった。

・・・HPのネタもないことだし(ボソッ)

◆◇◆

■助っ人を頼むのこと

モニターを受けるにあたって、唯一のネックは取り付けは自分でしろという条件だった。自慢じゃないが、オーディオの取り付けをやったことなど一度もない。純正からKENWOODに換えたときもお店の人にまかせっきりだった。「取り付けは簡単」ということらしいが、それは「素人がやっても簡単」なのだろうか。

パソコンの話になるが、コンピュータに詳しい人はちょちょいのちょいで周辺機器の増設をやってのけるが、まったくの素人は「取り付けラクラク」を謳う機器であっても全然ダメなケースが多い。「取り付けラクラク」なのはある程度の専門知識が前提となっているのだ。カーオーディオの世界にもそういった暗黙の了解がないともかぎらない。

とにかく、自分ひとりでやるには不安があったので、カーオーディオに詳しい人に助っ人をお願いした。快く助っ人に応じてくださったがらぁさん、どうもありがとう!

◆◇◆

■サウンドシャキットがやってきた

モニターを受けると返事をして数日後、サウンドシャキットが送られてきた。なかなか素早い対応である。届いた荷物の送り状をみてはじめて気がついた。サウンドサイエンスって徳島にあるんだな。

それはさておき、まずは中身の確認。

これは外箱。 「プジョー206専用」の文字が。
箱の中身。本体に配線キット、滑り止めのマジックテープ、エアキャップに包まれているのがオンオフスイッチ(これは非売品)。 本体にもプジョー206専用(Fixed for PEUGEOT 206)のロゴ入り・・・シールだけど。専用なのは配線キットで、本体は汎用品のようです。

配線ケーブルの束に、早くも眩暈を覚える私であった。

◆◇◆

■サウンドシャキットを取り付けた

取り付けはオフ会も兼ねて皆で集まることにした。サウンドシャキットがどれほどのものかわからないが、自分ひとりだけではなく、複数の人に確かめてもらうほうがいいだろう。それにオーディオに造詣の深い人の意見が聴けるかもしれない。

ところが、オフ会当日は今にも雨が降りそうな空模様。雨の中の作業は大変そうなので、全員が集まるのを待たずに、がらぁさんの助けを借りて取り付け開始。

まずはヘッドユニットを外す。プジョーの純正オーディオは工具なしで簡単に取り外すことができるそうですが、この場合取付金具がKENWOOD用のものに替えられていたためドライバーでねじを外してユニットを取り出す。

サウンドシャキットの配線キットを取り付ける。この時点で、私はわけがわからなくなるが、がらぁさんがてきぱき作業を進めていく。ちょっと気になったことが一点、接続の際、アース線をボディにつなげなければならないが、アースポイントをどこにするかは素人じゃわかりにくいと思った。

ひととおりコネクタをつなげ終わったら、配線剥き出しのまま視聴してみる。ちなみにスピーカーはノーマルの純正品だ。

まずはスイッチをオフにしてノーマルの音を聴く。そして、おもむろにスイッチオン!

おおー!

わかる、わかるぞ。低音がどうの高音がどうのと小難しいことはわからないが、音がクリアになったのはわかる。サウンドシャキットの名のとおり、しゃきっとした感じになった。どれくらい変わったかというと・・・そう、例えていうならば、ブライト艦長にぶたれたアムロ・レイのようだ。まさに「親父にも殴られたことがないのに!」といった感じなのだ!!(いったいどんな感じだ?(^^;)

ふむ、私のような鈍感な男にも効果を体感できるとは、なかなかすばらしい。ここで効果が体感できなければサウンドシャキットを取り外してメーカーに送り返そうと思っていたが、そのまま取り付けることに決定。

ヘッドユニットを元に戻し、ケーブルを引っ張ってきて、サウンドシャキット本体は助手席下に設置。

以上で完了。ここまで30分くらい。30分でできたのはひとえにがらぁさんのおかげです。自分ひとりだったら、たぶん一時間過ぎてもまだ四苦八苦していることでしょう(^^;

◆◇◆

■MP3で聞いてみた

オフ会に集まった人たちにも、サウンドシャキット装着後の音を聞いてもらったら皆口をそろえて、音質がよくなったと言う。これはますます本物だ。


サウンドシャキットがその謳い文句どおり音質を向上させることはわかった。しかし、視聴で聞いた音は、サウンドサイエンスから送られてきたサウンドシャキットの効果がよくわかるという視聴用のCDだった。だから、効果が体感できるのは当然といえる。

ところが、私がいつも聴いているのはCDではなくMP3・・・そう、自分の206についているKENWOODはMP3にも対応していて、普段はCD-Rに焼いたMP3の曲を聴いているのだ。私の理解に間違いがなければ、MP3は人間の耳には聞こえない周波数の音をカットしてデータサイズを圧縮している。そのおかげでCD-R一枚に100曲以上保存できるのだが、そんな音源でもサウンドシャキットの恩恵を受けられるのだろうか。いうまでもないが、サウンドシャキットがいかに優れた機械であっても、いつも聞いている音源で効果がなければ意味がない。

結果、MP3でも充分な効果があった。ただ、CDよりも効果の幅は小さかったが。

◆◇◆

■まとめ

サウンドシャキットは、大げさなサウンドシステムを導入する気はないけど、純正オーディオの音質をよくしたいと思っている人にとってうってつけの製品だろう。しょぼいといわれるプジョーの純正スピーカーでもはっきりと音質がよくなるくらいだから買って損はないと思う。

というわけで、興味のある人はサウンドサイエンスに問い合わせてね。


■■■ 問い合わせ先 ■■■

サウンドサイエンス株式会社
http://www.soundscience.co.jp/


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